[名前] shotaro
[出身高専 学科] 豊田高専機械工学科
[学科順位] 1年 30~40位前後
2~3年 3位前後
4年 12位
[受験の年]H29受験
[志望大学]
東京大学 工学部 航空宇宙工学科 ⇒不合格
[受験科目] 英語,数学,物理
[併願校]
北海道大学 工学部 機械知能工学科機械システム ⇒合格
筑波大学 理工学群 工学システム学類 ⇒合格
[進学先] 北海道大学 工学部 機械知能工学科機械システム
[部活] 3年時まで陸上部。
[資格] TOEIC910
[SNS]Twitter @n27syo
[動機]
・航空宇宙の特に推進系に強い大学に進みたかった。
・せっかく大学に行っても2年で卒業してしまうのはもったいないと思っていたので、少しでも長く勉強するには2年次編入は魅力的だった。
・何をするにしても自分は、周りが圧倒的に自分より上という環境において一番成長できるタイプなので、国内で東大がベストだろうと思っていた。
など
[勉強内容 時系列順 概略]
~勉強内容は基本的に、出身高専の後輩あてに残したwordから個人情報と出身高専特有の情報を除いたものになります。~
受験を決めたのは3年に上がった時。(半年前から考えてはいた。)
その時は多読くらいしか始めず。6月ほどに、部活をやめて受験一本に絞る。
当時は、家庭事情で県内の名大にしろと言われていたので、とりあえず第一志望。
ここで英語の勉強を始める。0からのスタートなので、とりあえずTOEICの金フレで、単語覚え始めた。夏明けくらいに多読は100万いった。が、まだ特に効果は感じず。
数学は、何も考えが及ばなかったので、高専の数学問題集を解き始めた。
3年の夏に、オープンキャンパスに行き、名大は選択しから消え、第一志望は京大になりました。
学校で9月に受ける強制TOEIC IPが520。
4年、長期休暇はがんばって勉強することにし、普段はレポートと製図に努めた。というかレポートで1週間ほぼ徹夜とか普通にあったので、日ごろ勉強は難しい笑。その間にいろいろあって、興味のある大学が東大に絞られた。このころ、TOEIC910をとり、英語の勉強は抑え始めた。
結果的に、本格的に(英語以外の)受験勉強が始まったのは、4年冬休み。4年生からはテスト勉強も絶対しないようにしていた。東大の数学を考えて、一番点数の期待値が高かった微分方程式を始めた。やさしく学べる微分方程式は神。その後、最後の期末期間中に線形代数をはじめ、3月初めまでやる。3月残りは、確率(統計は軽く)。ここまででその三分野の過去問はあるだけ全部解き、全部解けるようにはなった。
当時、3科目受験の学科と、2科目受験の学科で第一志望を迷っていたので、4月になるまで物理は始めなかった。(受験関係なく、電磁気はかなりやりこんでいた)電磁気は、4月中ごろまでに基礎物理学演習の該当範囲を終え、過去問が解けるくらいにはなった。数学は、まだ確率を続けていた。
5年生の時は必修の授業2つと卒研以外は外していたので、平均しても250h/一月は勉強していた。多くて300時間。
5月に入るまでに、力学範囲を一通り終え、熱力学と、複素解析を同時に始めた。
物理は、熱が終わったのち、5月中はその3分野の過去問と、問題集に努めた。
6月は過去問、模試 (東大受ける人たちとするほかに、ボッチで図書館でやった。毎週土日は、3科目通して模試と決めた。最新の数年分やらずにとっといたのでそれをとく。) 、やってない範囲で分かんないところがあったときは補う。という形でやった。過去問はだいたいいつも英語7割、数学8割↑、物理5~6割くらいって感じだった。
[勉強内容 分野ごと]
使った参考書のうち、図書館に返したり売ったりしてない分はこんな感じ。
ノートは77冊ありました。他には紙に解いたりした。
上にあげた科目について、それぞれ
教科書っぽい参考書を参考にしながら問題集を一冊やる
↓
徹底演習、徹底研究などの該当箇所全部解く
↓
解答する過去問解きつぶす
という流れを分野ごとに繰り返した。また、一分野終わるたびにそれまでの総復習を毎回行った。
~分野ごとの流れ~
数学は、期待値(必ず出る範囲か、範囲の広さ、難易度などを考慮した上での時間効率)が一番高いのは微分方程式だと思ったので、そこからやりました。基本的に、期待値の順に、時間も費やしてやりました。
以下、最終的に思う期待値順に書いていきます。
微分方程式、やさしく学べる微分方程式、すぐわかる微分方程式でだいたいカバーできる。あとはマセマと、図書館にある演習微分方程式で院試レベルの知識も埋めました。(例年ならこれでほぼ何とかなる)
複素解析、これは学校で習わないので敬遠しがちだけど、点数は取りやすい。実際、本番これしか完全正解できなかった。複素解析のマセマは有名ですので、何度もやるといいです。
複素関数攻略への一本道という本は、すごくいいと思います。詳しくは省略しますが、ジョルダンの補助定理という最高の定理が、マセマには載っていません。これを知っていると、本番5分稼げます。
複素解析は、複素積分でなく、複素平面の問題が出たときは難しいので、過去問と2冊をやりこんでください。時間をかける価値はあります。
線形代数は、ベクトル、行列、行列式徹底演習という本が神で、東大受験者は絶対やるべき。
(例年なら、東大の線形代数は簡単) 他は、徹底研究もやるといいですね。
確率は、細野を何周もするといい。あとは過去問の問題が大事。
近年、統計を好むようになってきているのでちゃんとやらなきゃやばいかも。
微積、図形問題、一番何が出るかわからなかったし、逆に今できないものはやっても難しいだろうと思ったので、過去問を直前にやったのと、徹底演習、徹底研究しかしていません。傾向として、他大学のように偏微分重積分は出ず、体積面積直線や、カージオイドサイクロイドなどの図形を、媒介変数で解かされることが多いですね。図形では接線とか接平面好きだよね。どっち出るかわからんわー。と思っていたら本番はどちらも出ず、ベクトル解析が出るとかいう愚行…こういうイレギュラーな年はその授業がある高専が有利だよね…
あと、最初に何も決まってなかったので範囲関係なしに高専の数学問題集を解いたといたのは、基礎力を上げる意味で役立ったと思います。
物理、基本的に力学、電磁気学、熱力学は、黄色いサイエンス社のライブラリシリーズでやりました。基礎物理学演習系も全部やりましたが、それよりも各分野で分かれているやつがいいと思います。力学は今井功って人の奴、電磁気は山村って人の奴、熱力学は瀬川って人の本で網羅できます。統計力学の範囲はいらないです。熱力学は、東大の受験では学校の教科書レベルでは厳しいので、三宅先生の赤い表紙の熱力学を参考書にして、基本的に全式を導出して使えるようにするといいと思います。
東大物理は、三問目が決まっていないので、偏った勉強量になってしまいました。が、小山太郎流でも多くの先輩が同じく嘆いていたように、軽くでいいので全部一通りやってください。私は、波動の中でも特に光の範囲だけノータッチでいたら本番そこが9年ぶりくらいに出ました。くそぉ….
現代物理、波動についても、物理学のエッセンスを何周かするだけで、軽くやったことにはなります。量子力学や、相対性理論などは、エッセンスの後、適当な参考書を読みながら過去問を解き、シュレティンガーなど有名な問題の解き方のみ物理の先生に教えてもらいました。今年は絶対熱力学か量子力学は出ると思ってた.....
全範囲を軽くやるために、物理のエッセンスは偉大だと思います。最初に、物理のエッセンスで全部やることを勧めます(熱以外)。当たり前ですが、光の範囲を先にやっておけば結果は変わっていたと思います。
あと、自分のように第一志望の範囲だけをやっていると、傾向ブレイクされたとき対応できないので、いろんな過去問を解いたほうが安全です。反省しています。
英語は、個人個人だと思うので、役に立つかはわかりません。しかし、3年の時勉強していたTOEICの内容は役に立つかもしれないので書きます。
金フレと、文法問題1000本ノックをまずはやるといいのではないでしょうか。あとはひたすら公式問題です。青い文法の本もいいです。通学中の電車やチャリのときは常に1.2倍にした公式問題の音源か、多読か、bbcニュース、英検等を聞いていました。僕の点数が上がったのはたぶんTOEFLと英検の勉強のついでですが、これらも役立ったと思います。
あとは、ディクテーションがとても大事だと感じました。TOEIC、英検、キムタツ、教材は何でもいいです。自分がちょっと難しいと思うくらいのレベルの文を、聞き取ると同時にすべて書き起こしてください。全文が書き起こせるまで何度も聞きます。これによって最終的に自分が聞き取れない音、知らない表現など、たくさんの欠点が分かります。
その他英語について、英作文は竹岡広信の英作文、リスニングはキムタツなどをやりました。英語に関しては受験勉強だと考えずに英語そのものを勉強すればそれなりに上がるんじゃないでしょうか。英語の伸び率にはかなり個人差がありますが、個人的に、国語が得意で小さいころたくさん本を読んでいたっていう人程上達が早いと思っているので、周りの人と上達に差があっても必ずしも勉強方法に問題があるわけではなく、これまでに言語に触れてきた時間が短すぎるだけという可能性もあるので、人によって根気と時間を要するかもしれません。編入において万人が英語から始めるべきという根拠はここにあるのでしょう。
あと、小山太郎流で昔の人の勉強法を見ていいなと思って導入したもので、スケジュール帳に勉強内容を書き込むというのがあります。これはかなり効率上がると思います。
同じ週の中でも何度も予定変更するので、黒くなります笑
東大の本番の答案用紙が、コクヨ集計用紙という製品とほぼ同じ大きさなので、過去問を解くときに使用して、できるだけ裏を使わず完答できるように練習するといいと思います。計算過程の途中で裏に行ってしまった時の絶望感ったらないです笑
[東京大学 試験内容]
~この項は、3校とも母校に提出した受験報告書の内容を参考に書き殴りました。本人が忘れている部分も多々あるということをご了承ください。~
英語 ほぼ例年通り
数学 私が見た中で過去一番むずいんじゃ…
1. 微分方程式 (あれ、微分方程式なのに一番最後ムズイぞ…)
2. 確率と統計まざったやーつ (統計のところはできなかったはず)
3. ベクトル解析(大問としては初出場?全くやったことがない笑)
4. 複素解析 (唯一例年レベルだった。全部できた。)
5. 線形代数 (小問2の複素行列がややこしいのか焦ったのかで答え出ずその先もずれてきたはず)
物理
1. 力学(物体-ばねが壁に対してどう動くかみたいなやつ。)
2. 電磁気(回路。全問解いた後に、小問2からミスっていたことに気づいたが、てんぱってて20分残っているのにもかかわらず直すのをあきらめた…)
3. 光 (スリットなど。唯一完璧に捨ててたやつ。でたの9年ぶりくらい?絞り出して少し解けた。)
結果としては、一次試験で不合格だったので、二次の面接には行っておりません。
改めて成績開示を見ると、物理の小問1~3問くらいで受かってたんじゃないかな?と思うくらいなので、試験中の数学や物理のてんぱりはほんとにもったいなかった。ただ、まともに勉強してきて落ちてしまった人の中には、僕と同じくらいの点数で落ちた人はほかにもいるはず。そういう差で文字通り、天と地、合と否の違いが出るということを忘れないでください。
僕の教科ごとの本番の点数は、あからさまに勉強を始めた時期の速さに比例していて、物理の時間の足りなさは正直感じていたので、二科目の学科にはもしかしたら合格できたのかもしれません。しかし、最終的には航空宇宙に行きたいという思いが強かったですし、それにしても得意意識が芽生え始めていた数学が6割に満たなかったという事実はただひたすらにショックでした。
最後に、東大を受験したうえで経験した障害を挙げるならば、その内容の難しさではなく、範囲の広さと不確かさでしょう。特に物理においては、どれだけ浅くともエッセンス等で全範囲を網羅することを勧めます。(東大物理の全範囲とはどこまでなのかはいまだにわからないが)
[筑波大学 試験内容]
まだ立ち直っていなかったので、過去問を初めて見たのは試験の2日前でした。毎年出ているので筑波受験者が全員出来るであろう線形空間すらほぼほぼ全くできませんでした笑
内容は過去問参照でお願いします。母校にあげちゃいました…
英語 TOEIC (予想10割)
数学 (5割)
物理 (6~6.5割)
面接
・志望動機⇒この研究室でこれがしたい
・高専で頑張ったこと⇒英語の独学と学科展、学科展の話が好印象。いいこと言えた。
・線形代数についてどう思うか(確実に前日白紙だったため)
⇒習ってなくてできんかった、本来数学自体は得意やねん的なことを言っておいた。
・併願校は?⇒正直に3つ挙げた。
面接の反応で、受かってるんだろうとは思いましたが、あてになるかは不明です。
[北海道大学 試験内容]
東大の試験が終わった日、これは東大落ちるかもしれない!!という確信に近い期待を感じたので、その日のうちに出願を決め、狂ったように願書を書きあげました。北大には化学があったので、いよいよやらないとまずいとは思っていましたが、筑波の試験が終わっても立ち直っておらず、筑波の試験前日に不意にyoutubeにはまるという深刻な事態に陥っていたため、当時の僕にはなすすべがなく、二か月を無駄にしました。
それでも、興味からフーリエ変換の勉強(趣味の範囲を超えない)と、理論化学だけは勉強していた痕跡があります。あと、最後の最後に東大の借りを返したくて波動の範囲を貪るように勉強しました。
こちらも、内容は過去問参照でお願いします。母校にくれてやりました。
英語 TOEIC (予想100/100)
数学 (115/120)
問1設問2の説明のみ不十分? 問4が極限の問題で一瞬焦りました。
物理 (90~100/120)
熱力がいつもはサイクルだけなのに、ちゃんとした熱の理論的な問題でした。力学が難しかった。電磁気も普段は回路なのですが、難しかったですね。たしか電子の挙動とかそういうの。東大でよく見たやつに似てるような。後半できませんでした。そして…出ました、波動!! 完答で憂さ晴らしができました笑
化学 (20/60)
化学は記号問題の消去法と理論のやったとこ以外白紙です笑。どこの分野から出たのかもわかりません。
面接
・志望動機⇒興味のある研究室が一つあったので、それを言った。
・英語はどう勉強したのか
・試験の出来はどうか⇒物理に悔いが残る
・(前質問の回答を踏まえ)物理より化学は…?⇒第一が東大だったのと、配点低いうえ、学校で授業ないしやりませんでした⇒これから勉強するといいと思うよ⇒御意
・普段の成績と試験の成績が釣り合ってないのは?⇒元々受験は考えられてないレポートと製図のカリキュラムなので、その上テスト勉強までしたくないので(受験の)勉強してました。⇒受験前はそうだよね~笑、と和やかムード
Q.併願校をすべて挙げ、そのうち志望順位が一番高いものはどれか、答えよ。
⇒A.東大、筑波、北大 志望順一位 北大
北大は完璧に面接で合格が分かりました。いろんな面で北大にも愛着が生まれ始めていて、今年どちらかに行くなら北大だろうなというのがありました。それから浪人or notでまた2か月悩みましたけど笑
[後輩に伝えたいこと]
受験前ならば、第一志望以外考えられなくて当然、受かる気しかしなくて当然。そう考える人も少なからずいるでしょう。実際、そういう人はほとんど落ちないと思いますし、その認識は正しいと思います。ただそれでも、絶対行かないはずの第2志望第3志望を作って願書だけ出すべきです。仮にそこだけ受かっても浪人するかを悩むようなすべり止めじゃなくて、第2志望第3志望です。あとになって、浪人するよりはとそこに進学する可能性は大いにあります。それらの大学の過去問を解くことも、確実に第1志望にフィードバックされます。毎年傾向通りなんて保証はありません。ブレイクしてきます。そんなときに役立つのは幅広い演習量ですから、まじで。深さだけじゃなく、知識の広さが大事なんだなと思い知らされました。そこが僕の一番の敗因です。今体験談を見返してみると、ほんとに落ちるべくして落ちた気がしますね。足りねえ笑
ただ、東大を目指して勝負ができるレベルになった自分とそれ以前の自分の学力差は歴然ですね。受験したことに後悔は一切ないです。
もう一つ、体験談見てわかる通り、元の学力ほんとに底辺です。推薦じゃなきゃ高専すら来れないような、入学当初は理系科目だいたいがんばってCとかだった奴です。よく体験談で見る、5年の〇月に勉強を始めたとかいう人は大体もともと数学物理が好きで勉強だとカウントせずに趣味でやっていた人とか、帰国子女や留学帰りで最初から英語はできたとか、みんなそんな人だと(勝手に)思っています。小学生並みの理系能力とTOEICとかでちょっといい点とったくらいで多少喜んじゃうかわいそうな心しか持っていない僕のような凡人ならば、そういう人の話を自分にあてはめないでください。その時点で負けです。自分はこれだけやれば受かるだろうというビジョンを持ち、それを上回る勉強をしてください。
正直、受験に合格した人は合格者の数だけいます(あたりまえですが)。そんな中で僕のように失敗した人の勉強内容をわざわざ参考にすることもないでしょう。
ただし、こいつはこれをしたから落ちたんだ、これをしてないから落ちたんだ、など、これを読んだ皆さんが反面教師にできる部分を見つけられるのならば、これを載せた意味もありましょう。志望校不合格後の堕落なんて特に、本気で志望校を狙っていた人ならば誰しも陥る可能性がある病気です。ぜひ反面教師にしてください。
みなさんの今後に幸多からんことを祈っています。