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​基本情報

名前:Takaya

出身高専:松江高専情報工学科

学科順位:10位→10位→4位→2位

受験の年:2016年

併願大学:筑波大学、専攻科

受験学科​:基礎工情報科学科ソフトウェア科学コース

受験科目:英語・数学・物理・専門

部活:卓球部

課外活動:特に無し

資格:TOEIC745点(5年4月時点)

​受験勉強

 

志望動機

高専では勉強も部活も中途半端だったので,レベルの高い大学に入って自分を変えたかったことと,画像処理やARを研究したかったから

​​

1〜3年

全く勉強してませんでした.特に,家から近いという理由で高専を選んだので,専門に全く興味が沸きませんでした.

 

4年前期

3年の冬に編入を決意し,4年前期までは志望校決定のための情報収集をしていました

 

4年夏休み〜秋

志望校を阪大基礎工に決定し,勉強を始めました.

※参考書名については略称・通称を用い,詳細は後述します.

 

4年冬

1日平均10時間(休日)

<数学>

「ハッと目覚める確率」と高専の数学3で確率を勉強しました.その後大学編入のための数学問題集を1周しました.

<物理>

エッセンスの力学の2周目と,熱をやりました.基礎工の力学は剛体(大学範囲)なので2周もしなくてよかったかもしれません.

<英語>

Forestをざっと読んでから,DUOよりレベルの高い単語帳をやろうと思って速読英単語の上級編を1日1ページ読みました.このレベルの本をこの時期にやるのは無謀でした.個人差はあると思いますが,速単シリーズ(特に上級編)は語彙を増やすのには向いていない気がします.

<専門>

アルゴリズムと論理回路は授業で使った教科書を読んで,例題を解きました.アセンブリは何もしていません.

4年春休み

1日平均12時間

冬休みと春休みで合わせて5日ぐらいしか外出していません.

<数学>

ようやく徹底演習を始めました.春休み中に3週ほどしました.

<物理>

力学は「大学1・2年生のためのすぐわかる物理」で剛体について学んでから基礎物理学演習を,熱は名門の森をやりました.

<英語>

ポレポレで短文読解を,やっておきたい英語長文500で長文読解の勉強をしました.大矢英作文講義の実況中継で英作文の勉強をしました.

<専門>

図書館で借りた論理回路例題演習をやりました.数学に時間を割いたので他は何もしていません.

 

5年4〜5月

1日平均 12時間

この時期が1番辛かったように思います.5年前期は数学と物理しか履修しませんでした.

<数学>

過去問特訓を3周しました.

<物理>

基礎物理学演習を3周してから演習力学を始めました.基礎工は力学・熱・電磁気から2つ選択ですが,電磁気を諦めるという英断を下しました(元から苦手で,時間がどう考えても足りなかった).

<英語>

速読英熟語と英語なるほどライティングを休憩がてら読みました.阪大の過去問がほぼ解けたので,この期間はあまり勉強していません.

<専門>

ようやく焦り始め,いろんな大学の過去問をひたすら解いていました.

 

​5年6月〜本番まで

1日平均 12時間

不安を通り越して,無心で勉強していました.

<数学>

阪大と筑波の過去問を一通り解いてから大学院入試の問題集やサイエンス社の演習シリーズを眺めていました.基礎解析学コースの本で微分方程式を補強しました.

<物理>

力学は大学院入試の問題集を眺めていました.熱は大学範囲(エントロピーなど)を基礎物理学演習で勉強しました.

<英語>

特にすることもなかったので,語彙を増やそうと思ってキクタンsuperを始めました.試験直前にやっておきたい英語長文700の面白そうな問題だけやりました.

<専門>

ひたすら過去問を解いていました.

​試験内容

[試験当日]

数学 9割

英語 9.9割

物理 6割

専門 7割

午前中の英語数学の出来が良かったので,午後完全に集中力が切れてしまいました.

数学

偏微分と重積分,線形代数,確率でした.微積と線形代数は問題自体は簡単でしたが,計算量がかなり多い問題でした.確率は過去問特訓に載っているようなオーソドックスな問題でした.

今年は割りと簡単でしたが,基礎工の数学は東大京大を除く旧帝大の中で突出して難しいと言われています.過去問を見ればわかりますが,一般的に編入数学でお勧めされている問題集ではまったく足りません.徹底演習と過去問特訓を完璧にしてようやくスタートラインに立てると考えてください.後述しますが,問題の解き方を暗記するのではなくまず理論を完璧に理解することから始めましょう.

英語

和訳,長文読解,英訳でした.長文は比較的簡単ですが,和訳と英訳は問題文がかなり長いので練習が必要です.第一に語彙力を増やすことが大切ですが,基礎工レベルならDUOとキクタンsuperで大体カバーできる気がします.

物理

力学は斜面を転がる剛体で,簡単そうでしたが途中で躓いたので6割ほどしか解けませんでした.熱はかなり複雑な装置を使った問題で,4割ほどしか解けませんでした.電磁気をやっておけばと後悔しました.部分点狙いで論理の破綻を無視してとにかく式を書きまくったのですが,合格したということはもしかしたらこれが功を奏したのかもしれません.

力学は毎年剛体に関する問題ですが,最初にエッセンスをやるとかなり見晴らしが良くなります.熱はエッセンスと名門の森で十分対応できる(はずでした).

 

専門(アルゴリズム、論理回路、casl2)

アルゴリズムは無向グラフの幅優先探索で,かなり簡単でした.論理回路はマルチプレクサとコインの表裏による得点の遷移でした.アセンブリ言語はフィボナッチ数列で,わからないところは問題を無視してC言語で書きました.ちなみにこのアセンブリ言語はcaslⅡという言語で,PC上でシミュレーションできるツールがネットで公開されているのでぜひ使ってください.

アルゴリズムは編入試験と同じような形式の問題集がないので,基本的に本をたくさん読んでからいろいろな大学の過去問を解くしかないと思います.論理回路は毎年ほぼ同じパターンの状態遷移の問題が出ており,論理回路例題演習という本に類題がたくさん載っているのでお勧めです.

 

面接

ソフトウェア科学コースの先生方が10人以上おられました.

 

Q.なぜ阪大を志望したのか

A.上記参照

Q.なぜソフトウェア科学コースを志望したのか

A.(コース分けは完全に形だけと聞いていたので焦る)ハードよりソフトが好きだからです

Q.試験の出来

A.午前中の英語と数学の出来が良かったので油断してしまい,物理でパニックになってしまいました

Q.なぜ普通校から大学に行かなかったか

A.家から近かったので高専にしました(面接官苦笑)しかし,情報工学を学んでいく中でもっとレベルの高い場所で興味のある分野を追求したいという思いが強くなり,編入を決意しました

Q.併願校は

A.4日前に筑波大学情報学群情報メディア創成学類を受験しました.結果は来週通知される予定です

 

面接は重要でないとの噂もありますが,どちらにしても気楽に素直に望むのが一番だと思います.

​後輩への一言

 編入試験の勉強を始めるにあたってまず問題なのが,勉強のやり方がわからないということです.一般的には「だらだら10時間<集中して3時間」,「5冊を少しずつやる<1冊を完璧にする」といったことが言われていますが,僕が1年間勉強して辿り着いた答えは「だらだら10時間<集中して3時間<集中して10時間」,「5冊を少しずつやる<1冊を完璧にする<5冊を完璧にする」ということです.皆さんここを目指して頑張ってください.また,すべての科目に共通して,「覚える」という感覚は一切排除したほうがいいです.結局のところ阪大レベルになると問題集で見たことのある問題はほぼ出ないので,いくら覚えたところで意味がありません.大事なのは「この問題はこう置換する」「この構文はこの語順」ではなく,「なぜこう置換するとうまくいくのか」「なぜこの構文はこの語順なのか」です.そこをしっかりと追求することで,知らない問題に対応する力がつきます.

 次に,「いつから勉強を始めればいいの?」という疑問についてですが,答えは「遅くとも夏休みまでに」です.僕は夏休みに勉強を始めましたが,この時期にじっくり基礎を固められたのが本当に大きかったと思います.編入試験と定期試験の最大の違いは,広範囲・ハイレベルゆえに解法暗記がまったく意味を成さないことです.よって,どれだけ理屈を理解しているかという基礎が非常に重要になってきます.秋冬に始めてしまうとどうしても時間が足りないので解法暗記に走ってしまい,強靭な思考力を問うような問題に手も足も出なくなります.また,勉強量によって1番差がつくのが英語です.僕は夏から毎日やっていたおかげで誰にも負けないくらい力がつきました.

 また,受験勉強にはメンタル管理も非常に大切です.一般的にはポジティブに保ったほうが良いと言われていますが,僕はずっとネガティブでした.そもそも編入を決めたのが「ここで頑張らないと,誇れるものが何一つない人生になってしまう」というネガティブな理由であり,「落ちたら人生終わり」ぐらいの気持ちで机に向かっていました.これが正しいかどうかは疑問ですがとりあえず合格したので,楽観的になって勉強量を落とすぐらいなら悲観的になったほうがいいと思います.難関大に「ワンチャンあるで」はありません.

 併願校についてですが,僕としては科目や試験の内容を重視したほうが言いと思います.僕は研究内容を重視して筑波大学を第2志望としましたが,阪大より科目数が少ない(筑波第1志望の人に比べるとかなりハンデ)うえに英語がTOEICであったり,試験日が阪大の4日前だったりとかなりしんどかったです.また同じ数学でも確率やベクトル空間が大学によって出たり出なかったりするので,過去問を見てよく考えたほうがいいです.

 支えてくれる方々への感謝を忘れず,とにかく死ぬ気で勉強してください.

おすすめ参考書

<数学>

編入数学徹底研究

高専の数学2,3

なっとくする行列・ベクトル

スバラシク実力がつくと評判の微分方程式キャンパス・ゼミ

ハッとめざめる確率

大学編入のための数学問題集

大学編入試験問題 数学/徹底演習

編入数学過去問特訓

微分方程式 (基礎解析学コース)

演習 大学院入試問題[数学]I

演習微分積分 (サイエンスライブラリ―演習数学)

演習線形代数 (サイエンスライブラリ―演習数学)

<物理>

物理のエッセンス 力学・波動

物理のエッセンス 熱・電磁気・原子

大学1・2年生のためのすぐわかる物理

基礎物理学演習 (1) (ライブラリ工学基礎物理学 (別巻=1))

演習力学 (セミナーライブラリ物理学 (2))

名問の森物理 力学・熱・波動1 (河合塾シリーズ)

演習大学院入試問題 物理学〈1〉

 

<英語>

DUO3.0

速読英単語2上級編[改訂第4版]

総合英語Forest 6th edition

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

やっておきたい英語長文500 (河合塾SERIES)

やっておきたい英語長文700 (河合塾SERIES)

基礎英文問題精講 3訂版 / 中原道喜

大矢復 英作文講義の実況中継 (実況中継シリーズ)

英語「なるほど!」ライティング / 遠田和子

速読英熟語

改訂版キクタンSuper12000 (アルク学参シリーズ)

<専門>(アルゴリズム,論理回路,アセンブリ言語)

定本 Cプログラマのためのアルゴリズムとデータ構造 (SOFTBANK BOOKS)

C言語ポインタ完全制覇 / 前橋和弥

C言語によるアルゴリズム辞典 / 奥村晴彦

コンピュータサイエンスで学ぶ論理回路とその設計 / 柴山潔

論理回路入門(第3版) / 浜辺隆二

論理回路例題演習 / 高橋 寛

アセンブリ言語スタートブック : CASL II &COMET II で学ぶ / 高田美樹

阪大工学部,東北大,横浜国立大学の過去問(アルゴリズム,論理回路)

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